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イタキスに再びどハマりし、タイトル通り小学生の作文以下の文章力で無謀にも二次小説を書いているチャレンジブログです。

年下の男の子 4

2020/02/16
年下の男の子 8
待っていて下さった方がいらしたら、申し訳ありませんでした。大分遅くなりましたが、続きになります。
読み返すと我ながらとんでもない展開だなと思ってます。でも、ここを書かねば話は進まないのでこのままで進めてしまいますσ^_^;







「あっ、その辺にテキトーに座って。今、飲み物用意するから。コーヒーでいいかな?」

「はい」

お湯を沸かしている間に、買ってきた諸々を冷蔵庫や戸棚に仕舞ったり、お茶請けの用意と、予定外だったから慌ただしく動き回った。そして、お湯が沸くと今度はドリップ。自分だけならインスタントでも構わないけど、お客さんだし。

「お待たせしました。どうぞ」

「ありがとうございます」

二人分のコーヒーを淹れキッチンから戻り、テーブルを挟んで向かい合って座った。自ら誘ったものの何を話せば良いかとコーヒーに口を付けるでもなく黙ってカップを握って弄んでいたら、入江くんの方から話題を振ってくれた。

「何かあったんですか?」

「えっ、何で⁇」

「凄い大量にお酒買ってたみたいだし、普通は二十歳過ぎて転んだ位で泣かないでしょ」

「あはは…そっか…」

確かにあの状況では、何かありましたと言っている様なものだったと反省しつつ、情けない姿を見せたついでだと開き直って笑いながら言った。

「…彼氏と別れちゃった」

「えっ⁈」

「えっ⁇」

雰囲気が悪くならない様に軽いノリで言ったのに対して、物凄く驚いた反応をされたものだから、こちらの方が逆にビックリしてしまった。その様子に、入江くんはちょっと気不味そうな顔をして言った。

「いや…バイト終わりによく迎えに来てたし、凄く仲が良いように思っていたので正直驚きました」

「あたしも思ってた。けど、あたしだけだったみたい」

「理由って、聞いても大丈夫ですか?」

興味本位な感じではなく、控えめな聞き方に好感が持てた。だから、あたしも曖昧に誤魔化したりせずにすんなりと理由が出た。

「先月、ほとんどバイト入れてなかったでしょ?あたし看護学部だから病院での実習があったんだけど、それがキッカケで」

「実習が忙しくてすれ違ったとかですか?」

「うんん、違うの。実習でね、啓太…あっ、彼がね。担当になった女の子がいるんだけど、その子に付いててあげたいんだって。あたしよりも優先したいって言われちゃった」

先程の事を思い出して不快感が広がる。でも、そんな心の内のドロドロしたものまでは見せられない。隠して笑いながら言うと、入江くんは心底呆れ返った感じで返した。

「看護師になろうとしてるのに、今からそんな一人の患者に入れ込んでて、その人大丈夫なんですか?」

「えっ…」

「今は実習で一人担当するだけでしょうけど、仕事となったらそうは行かないでしょ。この先、同じ事してたら仕事もプライベートも回る訳ないじゃないですか」

「…本当だ。ダメだよね」

「駄目所か、一番大事な人泣かせて大馬鹿だと思います。そんな奴、別れて正解です」

そう言い切ってコーヒーを飲んだ入江くん。あたしはその言葉で、モヤモヤしていたものがストンと落ちた感じがした。
彼女との約束より実習先に入院中の女子高生の方を選ぶ様な奴なんて、こっちから願い下げで良かったのだ。この決断は間違いじゃない。そう思えたら気持ちが軽くなって更に口も滑らかになり、入江くんが年下の高校生だという事を忘れてすっかり語りモードに入ってしまった。

「あたしって、いつもそうなんだよね。付き合う時は相手からアプローチされてなのに、結局他に行っちゃうの」

「いつもですか?」

また驚いた入江くんの反応にあたしもビックリする。あっ、そうか。“いつも”なんて言い方は、経験豊富だと誤解させたのかも知れないと慌てて訂正した。

「違うの!いつもって言っても、お付き合いしたのって二人なんだけど、前の時もそうだったから」

「へー。その時も相手に別の人が?」

「うん。高校の時なんだけど、一個下の子に告白されてね。で、いざ付き合い始めたら、実はその彼を好きだった娘が猛アピールし始めてデートも碌にしない内に取られちゃった。まぁ、あたしに魅力がないだけなんだけど」

「そんな事無いです。琴子さんは魅力的ですよ」

「あはは、ありがとう。入江くんは、優しいなぁ」

「いえ、お世辞じゃなく本当に。今までの奴らが見る目が無いんだと思います」

「んー。でも、続けてと言う事は本当にあたしに女としての魅力が無いからダメなんだと思う」

「琴子さんは、十分魅力的だと思いますよ」

再度、入江くんはそんな事は無いと否定してくれた。イケメンがそんな風に言ってくれると悪い気はしない。けど、調子に乗って明らかな社交辞令を受け入れちゃダメ。自分の魅力の無さは、自分が一番分かってるもの。ムキになってしまって、余計なカミングアウトをした。

「うんん。そんな事ある!だって、啓太何だかんだ2年近く付き合ったのにキス以上してくれなかったもん」

「ブッーー。ゴホッ、ゴホッ」

「あっ、大丈夫?これ使って」

咽せる入江くんにティッシュを差し出すと、「すいません」と受け取って口元を拭い始めたので大丈夫だと判断して、情けない姿を晒したついでだし、溜め込んでいた思いも吐露する。

「あたしは別に良いかなって思ってたけど、学生の内はダメとか言ってキス以上の事してくれなかったんだよね。大事にされてるって思ってたけど、今思えばただ単にあたしとはしたくなかっただけだったんだよ」

一気に吐き出すと、入江くんは何も返してくれず黙っている。あっ、ヤバイ。引かれちゃったかなと様子を伺えば、真面目な顔で顎に手を当て何やら考えている様だ。何か言ってくれるのをしばし待っていると、顔を上げて真っ直ぐあたしを見据えた。

「そんなに彼としたかったですか?」

「へ?」

まさか冷静にそんな質問返しをされるとは思っていなかったので先程までの勢いは削がれ、本当に啓太としたかったかと考えてみる。

「うーん。そう言われると…。何がなんでもとかじゃなくて、みんな経験してるし、付き合ってるなら。ねえ?」

「みんなしてるから?」

「だって、友達とのそーいう話には入れないし。入江くんだって同じ状況ならそう思わない?」

「全然」

同意を求めたのに、返って来たのは期待とは真逆の『全然』の一言。えー、高校生のクセに不健全。今まで肯定的だったのにここに来て同意を得られず、完全に言い掛かりだと自分でも分かるけど非難交じりになる。

「入江くんはモテるから余裕あるもんね。同級生なのに、周りからお子ちゃま扱いされ続けたらそう思うわよ」

「そんなもんですか」

「そんなもんですぅ!」

口を尖らせちょっとふて腐れた。すると、入江くんはとんでもない提案をした。

「それなら、経験すれば良いんじゃないですか?」

「……」

こ、これだからモテる男は。そんな事は、別れたてホヤホヤの乙女に言う事じゃないじゃない。

「入江くん、忘れちゃった?あたし、もう相手が居ないもん。例えしたくても出来ません」

「したいなら出来ます」

「だ~か~ら~…」

「俺とすれば良いじゃないですか」

「へっ?」

「だから、俺とすれば良いじゃないですか」

「……」

瞬時に理解出来ず沈黙が流れる。目をパチパチと瞬かせているのが自分でも分かる。
えーと、大事な事だから二回言った?いやいや、そんなくだらない事思ってる場合じゃないでしょと慌てて否定した。

「いやいやいや!ダメでしょ‼︎」

「何で?」

「えっ…」

あたしは至極真っ当な反応のはず。なのに、まさかの「何で?」と疑問返しに、オロオロしてしまう。納得して貰う理由が必要なのかと必死に頭を回転させた。

「何でって…。あっ!あたし達付き合ってもいないのに、そんな事出来ないよ!」

「付き合っててもしない奴が居るのに、付き合ってないから出来ないってのも、どうかと思いません?」

むむむ…。言われてみれば一理あるかも?入江くんって、物事を違った角度から見れるんだなぁ。…って、何感心してるのよ!違うでしょ!

「そ、そんな事無い!ああいう事は、好きな人とーー」

「彼氏の事そこまで好きだったんですか?」

「えっ?そ、そりゃ、付き合う位だもん。好きだったよ」

「本当に?」

入江くんの懐疑的な目にあたしはしどろもどろになりながらも、啓太はいい奴でそこに間違いは無いから付き合ったんだと頷く。

「う、うん」

「相手から押されて、良い奴だし付き合ってみよう位の気持ちで始まってません?」

「うっ…」

その通り過ぎて思わず言葉に詰まった。だからと言って、ここで負けちゃダメだと奮起するが、それも入江くんはバッサリと切り捨てる。

「でも、でも!好きだから付き合えるでしょ?」

「気のせい。琴子さん、前に相手からのアプローチと周りの後押しでって自分で言ってました。そこまで好きだったか疑問です」

「そんな事ーー」

「じゃあ、俺が琴子さんと同期だと仮定しましょう。それで、彼氏と同時期に俺も琴子さんに猛アプローチかけてたらどうです?絶対に彼氏の方取ったって言い切れます?」

「……」

うーん、バイト先での仕事ぶりを見る限り真面目だし、あたしのフォローもいつもさり気なくしてくれてたもんね。こうしてわざわざ家まで送り届けてくれたり本当に良い子だと思う。しかも、超が付くほどイケメン。そんな子からアプローチされたら悪い気はしないよなぁ。そんな良い子に、啓太と同時期に告白されたら、あたしはどっちを取った…?もしもの話に唸っていると、「それと」と入江くんは言った。

「えっ⁇それと?」

「今は大事に思ってる“初めて”って、時間の経過と共に足枷にしかならないですよ」

「あ、足枷?」

突然出てきた『足枷』なんてワードに怯んだあたしを入江くんは見逃さなかった。

「琴子さん、今回の実習中バタバタしてて余裕がなかったですよね?」

「う、うん」

「これからまた実習が続いて、やっと終わったら国家試験。受からなきゃ看護師になれませんからね。今よりも、もっと余裕が無いと思います」

「確かに…」

「受かっても、実際に働き始めると大変ですよ。仕事になる訳ですから。更に病院勤務ならシフト制ですよね。夜勤も始まれば更に慣れるまでに時間はかかるだろうし。バイトでの琴子さんを見る限り、器用じゃ無いし相当時間かかるんじゃないかな」

「うぅ…」

「部署だって移動もあるだろうし。そうなれば疾患も治療も処置も違う、また新たな事を覚えなくてはならない。そんなこんなで仕事に追われてプライベートにまで気が回らないでいる内に、気付けば三十がみえて来てーー」

ここで含みを持たせて言葉を切った入江くん。スラスラと入江くんの語る未来予想図にすっかり引き込まれてしまったあたしは自ら続きを促していた。

「…来て?」

固唾を飲んで待つあたしに、入江くんはにっこりと笑った。まさにキラースマイル。そして、笑顔のままでアラサーのあたしの未来を断言する。

「大事にしていた“初めて”がコンプレックスにしかならなくなるんです。価値があると思っていた“初めて”が時間の経過で重荷にしかならない。万一、落ち着いた頃に彼氏が出来ても三十で処女だと引かれる可能性大です」

「そんなっ!」

「そんなもんですよ。男なんて面倒は避けたいですからね。結果、また上手く行かずコンプレックスを拗らせた琴子さんは一人淋しい晩年を…」

「ヒドイ!」

「そんなもんです。そして、淋しい晩年を迎えた琴子さんはきっとこう思う筈です」

あまりにもひどい未来予想に声を上げたあたしに対して、そんなもんだと言い切った後、また間を開ける。あたしもここで黙って終わりにすれば良いのに、またしても自ら続きを求めてしまった。

「…あたしは何て思うの?」

「あぁ、あの時俺としておけば良かったって」

すっかり話術にハマって、独り寂しい老後を過ごす自分の姿が頭の中を占拠した。妄想力の逞しいあたしは、入江くんの語るもしもの話がまるで本当の事の様に思えてしまい、不安になってまた泣きそうになっていた。現時点で正しいと判断したのに、それが結果として未来では誰にも選ばれずに独り身を拗らせて後悔する事になるなんて。
すると、沈んでいるあたしに天使は優しく囁いた。

「だから、深く考えないで重荷になる前に捨てればいいんです」

「…捨てる?」

「彼女が絶対処女じゃないとダメなんて奴の方が異常です。みんなそこまで深く考えてしてませんよ。あまりにも軽いのはどうかとは思うけど、二十歳で初体験済ませておくのもいいんじゃないですか?」

「…それって、いいの…かなぁ?」

「初めてだと色々大変だし、経験ある方が男は楽でしょ」

「そうなの?」

「ですね」

「でも、でも…」

入江くんにそう言われるとそれが正しい事なのかなって思えて来てしまったが、彼氏でも無い人とするのは如何なものかとあたしの中の僅かな理性が抵抗を見せる。すると、入江くんは先程まで自信満々にあたしの未来予想を語っていた時とは打って変わって、子犬の様にシュンとしてしまった。

「…やっぱり俺じゃ無理ですよね」

「えっ?違う、違う!入江くんが悪いとかじゃないよ」

「女子大生から見たら高校生なんてガキでしょ?」

ズッキュンーー

疑問形に上目遣いで見つめる姿に心臓を撃ち抜かれた。
はうっ!…か、可愛い過ぎでしょ。脳内では、『女子大生から見たら高校生なんてガキでしょ?』がリフレインし続ける。そんな顔をさせたかった訳じゃ無い。だから力強く否定した。

「年齢なんか関係ない!」

「でも…」

「本当にそんなの関係なく、入江くんは十二分に魅力的だから!」

「本当ですか?」

「本当に本当!」

「じゃあ、決まり」

「へっ?き、決まり⁇」

「今からしましょう」

ナチュラルに握られた手に思いっきり動揺が走る。さっきの否定は決して入江くんに非があるのではなく、あくまでもこれはあたしの心の問題なのだとフォローのつもりだった。なのに、何故かフォローは前向きに捉えられてしまった。

「今…から?」

「はい」

間髪入れない即答に慌てたが、何か逃げ道は無いかと珍しく即座に質問が口から出た。

「あっ、入江くん彼女は?」

「そんなもん居ません。その辺の分別はあります」

「本当に?」

「本当に。だから、何も気にする必要無いですよ。あっ、琴子さん、先にシャワーどうぞ。俺その間にちょっとコンビニ行って来るんで鍵貸して貰えます?」

「コンビニ?あっ、お腹空いてる?お菓子とかカップ麺位はあるし、飲み物も冷蔵庫に何かしら入ってるよ?」

立ち上がり鍵を寄越せと手を差し出す入江くんに、バイト終わりだしお腹空いてるのかなぁ位の感覚だったあたしの親切心は無残にも粉々に打ち砕かれた。

「じゃあ、コンドームもあります?」

「は?」

想像もしていなかった物に虚を突かれた。唖然として言葉の出ないあたしに、入江くんは再度重ねる。

「コンドーム。避妊具の事です」

「…無いです」

「ですよね。じゃあ、鍵下さい」

「はい…」

「あっ、戻るまでにシャワー浴びてなかったら一緒に入りますよ」

「えーーっ⁈」

「それが嫌ならサッサと動いて下さいね。じゃあ、ちょっと行って来ます」

「……」

と言った具合で、1年8ヶ月付き合った彼ともしなかったのに、例の物を調達して戻った入江くんとあたしは致してしまったのだった。



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りん
Author: りん
りんと申します。『イ タズ ラな Kiss』に再びハマったら、二次創作小説に出会い感銘を受け、自分でも小説を書きたくなりブログを始めてしまったお調子者です。

コメント(8)

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2020/02/16 (Sun) 22:02

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2020/03/10 (Tue) 18:09

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2020/03/12 (Thu) 17:45
りん

りん

Re: マロン様

コメントありがとうございます!お返事大変遅くなり申し訳ありません。
待っていて下さったと言って頂けて嬉しいです。なのに、中々先に進まずで申し訳無いです(^^;;

敬語の入江くん、狙っていたので可愛いと言って頂けて内心やったとガッツポーズ出てしまいました٩( 'ω' )و密かに1話目の事後は敬語取れているんです。する前と後では態度が違う微妙な可愛さも強引さと共に楽しんで頂けたら( *´艸`)

2020/03/13 (Fri) 21:03
りん

りん

Re: 小太郎様

初めまして!当サイトを見つけて下さり、しかもコメントまでありがとうございます(>_<)コメントは本当に励みになり嬉しいです!
またイタキスブーム再燃して下さって嬉しいです♪更新ペース落ちていますが、細々続けてますので是非またお越し下さいませ(*^ω^*)

2020/03/13 (Fri) 21:19
りん

りん

Re: 幸様

お久し振りです^ ^コメントありがとうございます!マメに来て頂いているのに更新出来ずで申し訳無いです…。

sweetestに似た雰囲気なので、幸さんはお気に召して下さるかもと勝手に思ってましたので、面白いと言って貰えて嬉しい限りです(*^ω^*)続き頑張ります!

2020/03/13 (Fri) 21:29

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2020/03/24 (Tue) 21:01
りん

りん

Re: ルル様

コメントありがとうございます!ハンドルネーム違っても文面で同じルルさんと分かりますので^ ^前回はルル(ナ)様で頂戴しました。分かると言いながら違っていたらすいません(笑)

年下の男の子待っていて下さったとは、嬉しいです(>_<)中々進まずで申し訳ないです…。それでも待って下さると言うお言葉本当に嬉しいです(T-T)
日々の忙しさに加え、時節的に閉塞感もあり中々思う様に創作出来ないですが、コメントはやる気スイッチになりますので本当に有り難いです。
ルルさんは、二次歴長いですね!一番盛り上がっていた頃を知っているのは羨ましい。新参者はもう一度その頃の様な盛り上がりがあると良いのにと思ってしまいます。その為には自分も頑張らねばなのですが(^^;)

2020/03/28 (Sat) 20:45